
ここ数カ月、GPSへの重大な干渉やジャミング**(電波妨害)**を受けた船舶からの報告事例が増加しています。複数件報告されている地域は、地中海東部と中央部、ペルシャ湾、中国の複数の港です。干渉やジャミングにより、GPS信号が消失したり、GPS信号の正確性が失われたりしており、船舶のナビゲーション機器や通信機器に影響が生じています。
Published 28 September 2020
こちらは、英文記事「GPS interference and jamming on the increase」(2020年9月29日付)の和訳です。
海上を安全に航行するには、位置、速力、方位が正確であることが不可欠です。船舶が沿岸付近を航行したり港を発着する際は、正確な位置情報の取得が特に重要となります。
米国による勧告
2020年9月24日、米国運輸省海事局(MARAD)は、海事関連で世界各地から報告された重大なGPS干渉事例を多数取り上げたアラート2020-016-Various-GPS Interferenceを発行しました
同様に米国沿岸警備隊ナビゲーションセンター(NAVCEN)では、民間の非航空用GPSユーザーによるGPS干渉についての報告を調査し、これらの報告を研究し、可能な場合には、最も可能性の高い原因を特定する取り組みを行っています。2017年から2019 年に報告されたGPS干渉事例の大半は、地中海を航行中の船舶からのもので、その37件のうち 22 件はエジプト周辺で報告されものです。さらに、2件の事例が黒海(ウクライナのオデッサとロシアのノヴォロシースク)で報告されています。また、イエメンのフダイダ(Hodeidah)で 1 件、ホルムズ海峡で 1 件、サウジアラビアのジッダ(Jeddah)港で 2 件の事例が報告されています。報告のあった地点は、上の地図上に赤い点で示されています。
同じ期間に中国でも多数のGPS干渉事例が報告されています。中国東部の上海周辺で4件、中国東部の青島周辺で1件、日本海周辺で1件の事例が報告されました。
推奨事項
Gardでは、GPSの干渉、ジャミング(電波妨害)、スプーフィング(なりすまし)、ソフトウェアや電子システムのインシデントや障害などが発生した場合には報告するよう推奨します。それが、政府や海運業界が根本原因を突き止め、将来的にそうしたインシデントの対処方法や回避方法を知るのに役立つからです。報告・分析が円滑に進められるようにするために、場所(緯度/経度)、日時、停止/中断時間、障害が発生した機器の写真やスクリーンショットなどの重要情報を報告に含めるようにしてください。
MARADは、GPSへの干渉など、潜在的または実際に起きた海上保安上の脅威について海運業界との間で情報をやり取りするための専用のウェブポータルを設けています。
GPSの停止や異常が発生した場合は、当局に報告する必要があります。NAVCENとNATOシッピングセンター はそれぞれ、GPSの停止や安全保障上の脅威に遭遇した船舶からの報告を受け付け、そうした場合の効果的な航行方法について情報を共有するための専用ウェブサイトを開設しています。